自転車にクイックでアグレッシブな運動性能を求めていくと
キャスター角(ステアーの角度)は立っていきます。
ホイールベースは短くなり、タイヤは細くハイプレッシャーのエアが充填されます。
前傾姿勢が取れるよう、低い位置にハンドルバーはセッティングされ、
空気抵抗と闘える仕組みになっていきます。
人間が作り出す極限のスピードを維持し続け、
レースに勝つために創造されたのがロードレーサー。
おバカなことを言うようですが、なんといっても早く走ることが目的の自転車。
この対極に位置するのがビーチクルーザー。
サーファー達がサーフィンを楽しみに海へ行くための足。
彼らにとって最大のアグレッシブな欲求はサーフィンそのもの。
サーフィンで疲れたカラダでゆる~く家路を楽しむ乗り物。
ホイールベースは長くキャスター角は寝ています。
タイヤは2.0幅以上の極太ロープレッシャー。
大きなクッション付きのサドルにドカッと腰を下ろし、
肩幅以上の広くて高い位置にあるハンドルバーに手をかけ、
風を楽しみながらゆっくりとペダルを回すのが流儀。
長距離や坂道は苦手なポジションですが、
流れていく景色はピースフルで独特な世界感があります。
また、自転車マニアにとって自転車の構成素材と等しく
興味の対象となってくるのがウェルディングとペインティングのクオリティ。
がん鉄製の旧来のモデル達では、評価の対象にあげるのも
はばかれるような雑な仕事っぷりが目立ったものでした。
(それが味だったりもするんですけどね・・・)
当然価格もそれ相応、安価に設定されているので無理はありません。
『ELECTRA』というメーカーは僕の私観では、安価な価格帯を維持しながら、
可能な限り美しい仕事を見せている貴重な存在だと認識しています。
自転車乗り諸兄には、
一度機会を設け、ショールームで実車に施された仕事を確認していただき、
試乗が許される状況があるのであれば、
是非その世界観の片鱗でも味わっていただきたいと願います。
◆ここからは得意の僕の妄想◆
ビーチクルーザーをベースに多段変速機とドラムブレーキを組み込み、
モーターサイクル(トレールバイク)用のハンドルとブレーキレバーに
BLOOKS B72サドル。ファットなブロックタイヤを履き、
テールスライドしながらカリフォルニアの山を駆け下ったフラワーエイジたち。
70年代に彼らが作り上げた山遊びの道具が
マウンテンバイクの始祖鳥、
『KLUNKER』。
今この『KLUNKER』にインスパイアされたカスタムを
ELECTRAベースでやってみたらおもしろいと思うんだけど、
どうかな?
ELECTRA さんフレーム単体売りとかしないのかな?